間違いだらけの備忘録

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失敗の科学

ISBN:978-4799320235

問題は当事者の熱意やモチベーションにはない。改善すべきは、人間の心理を考慮しないシステムの方なのだ。

クローズド・ループ現象のほとんどは、失敗を認めなかったり、言い逃れをしたりすることが原因で起こる。疑似科学の世界では、問題はもっと構造的だ。つまり、故意にしろ偶然にしろ、失敗することが不可能な仕組みになっている。だからこそ理論は完璧に見え、信奉者は虜になる。しかし、あらゆるものが当てはまるということは、何からも学べないことに等しい。

ことに機長は参加型管理の技術、その他のコックピットクルーは(段階的)主張の技術を習得することが望まれる。

ほほー

段階的主張の手順(PACE)
「現場で」「下が上に(副操縦士が機長に、看護師が執刀医に、等)」自分の意見を主張する際の手順。
段階的主張の手順(PACE) – *ListFreak

Probe(確認・探求) 「~はご存じですか?/なぜ~なさるのですか?」
Alert(注意喚起) 「このままでは~になるのではないでしょうか」
Challenge(挑戦) 「このやり方ではうまくいかないと思います」
Emergency(緊急事態) 「それをやめてください!/~をやる必要があります。なぜなら~」

「自尊心」が学びを妨げる 
「皮肉なことに有名なら有名なほど、その予測は不正確になる傾向があった」
皮肉なことに、幹部クラスに上がるほど、自身の完璧主義を詭弁で補おうとする傾向が強くなる。その中でも、通常一番ひどいのがCEOだ。たとえば我々が調査したある組織のCEOは、45分間の聞き取りを通してずっと、会社が被った災難がいかに自分以外の人間によりもたらされたかを並べ立てた。矛先を向けられたのは顧客、監査役、政府、さらに身内である自社の重役たち。しかし自身の過失については一切言及がなかった。 自分の判断は賢明だったとひたすら信じ、それに反する事実を突き付けられると自己弁護に走る。原因は、もはや言うまでもない。認知的不協和の影響で目の前が見えず、最も失敗から学ぶことができていないのは、最も失うものが多いトップの人間なのだ。

効率的に失敗する方法としての事前検死

事前検死は非常にシンプルな手法だ。まずチームのリーダー(プロジェクトの責任者とは別の人物)は、メンバー全員に「プロジェクトが大失敗しました」と告げる。メンバーは次の数分間で、失敗の理由をできるだけ書き出さなければならない。その後、プロジェクトの責任者から順に、理由をひとつずつ発表していく。それを理由がなくなるまで行う。
(略)
事前検死の目的は、プロジェクトの中止ではなく強化にある。「導入予定のプロジェクトについて事前検死を行っても、おそらく通常は中止になることはないはずだ」とクラインは言う。「しかし、チーム全員が有益だと感じる微調整がなされることはほぼ間違いない。事前検死は低コスト・高成果の手法と言えるだろう」

めも

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