http://www.csij.org/01/shiminkagaku/07/index.html
「科学に問うことはできるが、科学(だけ)では答えることのできない」領域を指す造語である。例えば、原子力発電所は安全かどうか、という問いに対して、科学的に事故の起こる確率を算出することができたとして(それ自体実際は問題孕みだが)、それはきわめて低く無視できる程度で安全だと専門家は言う。ところが、たとえ小さい確率でも事故が起きてしまったときの被害の大きさを考えると無視できないと考えることもできる。結局、この問いに答えようとすると、科学的研究によってある程度までは追究できても、科学だけでは決められない、つまり「科学を超えている」問題だ、というわけだ。すぐれて社会的価値判断がかかわる問題だからである。社会的に注目を浴びる問題は、しばしば専門家の間でも見解が分かれているものだし、対象の性質上、科学的に追究しようと試みても、実験できない類のものや必要な実験が莫大な規模となるため、実際上、不可能なものもある。こうしたものもトランス・サイエンスに括られる。
めも