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「いいか、酒に飲まれて潰れる、それが良くないことなんてここにいるみんな分かってる。だから俺たちがお前のお母さんにとやかく言うつもりも資格もねえよ。みんな酒に飲まれたい。苦しいからな。ただな、お前が買っちゃならねえ」
南海ホークスは真っすぐと射抜くような視線をこちらに向けていた。
「お前が買うとな、大きくなった時、自分も加担したって後悔するんだ。これからお前の母ちゃんがもっと酷くなるかもしれない、病気になるかもしれない、取り返しのつかないことになるかもしれない。その時に、あの時、酒を買って加担したのは自分だって後悔する」
正論
「好きという気持ちはいいことだ大切にするといい」
(略)
「もう新しいものはしんどくてなあ、おっちゃんはもうこれだけだよ」
(略)
そう、新しいものはしんどいのだ。
人でもモノでも、何かを好きになり、のめりこんで夢中になっていくことは幸福なことだ。
けれども、同時にそれらは色々なものを消費する。
気力だったり、体力だったり、経済力だったり、様々だ。
何度かそれらを繰り返してきた人のいくらかは、それ以上の摩耗に耐えられない瞬間がやってくる。
新しいものが受け入れられなくなってしまう。
それを老化と言ってしまえばそれまでだが、おそらくは防衛本能なのだろう。
いとあはれ