間違いだらけの備忘録

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スタックの誤謬

http://jp.techcrunch.com/2016/01/20/20160118why-big-companies-keep-failing-the-stack-fallacy/

企業がこれまで積み重ねてきたさまざまなレイヤーの上にもう一段レイヤーを重ねる〔スタックする〕ことを「ごく簡単だ」と思い込むことと定義できる。
(中略)
成功を阻むボトルネックは、ツールの詳細を知らないことによるのではなく、顧客のニーズを理解できないところに存在する。
(中略)
エンジニアがスタックを下に降りる場合、自分自身がそうした基礎となるスタックのユーザーであり、何が必要なのかを体験から熟知している。
たとえばAppleは次世代のコンピューター・チップに何が必要とされるかを正確に知っていた。Appleは当初からチップ設計の技術を持っていたわけではない。しかし重要なのは顧客ニーズであり、Appleはその部分をよく理解していた。テクニカルな能力が必要ならライセンスを買うことも専門家を採用することもできる。しかし市場のニーズを根底かから正確に把握する能力は金を出せば手に入るというものではない。
(順序変更)
もちろんそうした分野を知っている専門家を雇い入れることはできる。だがそれは〔その企業の〕コア・コンピテンシーを向上させることにはならない。

正論

スタックの誤謬はある意味で人間性の本質に基づくものだ。われわれは自分が熟知している分野こそ価値があると考えたがる。読者が仮に巨大なデータベース企業でチップを設計しているとしよう。CEOがあなたに「われわれはIntelやSAPと競争できるだろうか?」と尋ねたとする。「私がチップを開発したのはRDBソフトを走らせるためでそれ以上のことは分かりません」と正直に答えるエンジニアはまずいないだろう。逆に、それまでに蓄積されたチップ設計のノウハウをもってすれば、その上にERPアプリを走らせるという新たなレイヤーを重ねるのは簡単だと考えるに違いない。
(中略)
大企業が一見すると自明なテーマ、つまり熟知している分野なので少し手をのばすだけで十分につかみ取れそうなにテーマに挑んでは失敗する理由を理解するための重要なヒントになる。その答えはおそらく、何(what )をすべきかがどのように(how)すべきかより100倍も重要だという点にあると思われる。

素敵〜

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