怪物と戦う者は、みずからも怪物とならぬようにこころせよ。
なんじが久しく深淵を見入るとき、深淵もまたなんじを見入るのである。
ある意味、クトゥルフの基礎、基本のニーチェ。
基本の押さえという意味で読んでみた。
訳者はビルマの竪琴の作者、竹山道雄。
この約は多分かなりな超訳なのだろうけれど、自分にはとても合った感覚だった。
別の訳者のニーチェの本も同じく読んでは見たのだが、スタイルが合わず、挫折した。
総ページ300ページ弱、そんなに量はないのだが、内容的に重く、深く、
矛盾に満ちた内容なので、読むのに1ヶ月近くかかった。
読み方はライトノベルとして読むという無茶なやり方をしてみたが、
各所がクトゥルフ神話として解釈(曲解)できて面白かった。
無論、本筋も世俗から突き抜けて真理を突いていて深い、
「既成の道徳概念」を真っ向から批判していて古くなっていない。