間違いだらけの備忘録

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縁故採用

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なぜ縁故採用がダメだといわれるか、それは組織が大きくなってくると縁故採用は弊害が大きいからです。

漢代には郷挙里選という、地元の有力者が中央政界に「推薦」という形で採用を促すシステムをとっていました。しかるに、後漢末期ではこのシステムは人事を私物化する豪族たちの食い物にになり、遂には皇帝本人が売官をするほど腐敗が進みました。つまり、この場合、推薦者は実質的な試験官を兼ねているわけで、その推薦者は被推薦者に対して絶大な権力を手にするようになります。会社にとってのデメリットは、入社する前からすでにどっぷりと社内閥に浸っていること、推薦された人は推薦者に金品やその他のサービス(枕営業など)を提供しなくてはならないことです。たとえ厳しい罰則を設けていてもこれらの弊害を防止することができないのは、歴史が証明しています。

例えば、そこにメスを入れたのが曹操であり、その後継者の曹丕です(九品中正法)。あまりにも腐敗していた豪族たちから推薦者としての役割をとりあげ、今度は中正官という別の推薦者を役人として設置しました。しかし、この推薦者たちも魏から晋へと至る過程において貴族化し、郷挙里選のころとほとんど同じ弊害があらわれるようになります。そして、この不具合を遂に取り除くことに成功したのが隋から始まる科挙、すなわち試験による選抜です。爾来「人事は一見不合理に見えても試験で決めろ」というのは大きな組織を運営するにあたっての不文律として二千年近く受け継がれてきた知恵です。

とはいえ、日本の企業全体がこの風習に染まってしまうと問題ですが、岩波書店はそこまで影響力がある、と言い切れるのようなものではありません。ですから、岩波がどのような末路を辿るのかは興味が尽きないところですので、ぜひ頑張って歴史の一ページとして名を刻んでもらいたいものです。

素敵〜

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