http://www.ashida.info/blog/2009/03/post_335.html
人間の自立過程期では、「なぜ自分はこんな親の元に生まれたんだ」というふうに親を拒絶する傾向が強くなる。逆に言えば、いつも“純粋な自分”があると信じ続けている。あるいは純粋な、汚れなき自分になり続けようとする。
(中略)
「イノセント」とは、自分の受動性(や有限性)の側面を受け入れようとしない傾向のことです。
作家の“個性”とか“創造性”とか“オリジナリティー”とか言うけれども、そんなものは、実はいつも泥だらけで、泥だらけだけれども、その泥の厚みを跳ね返しても輝き続ける個性というものがある。
私の個性、私の特徴、あるいはそして〈私〉などというものは、純粋無垢なものではなくて、泥だらけであって、いつも対立を孕んだもの、ダイナミックで闘争的なものだというのを忘れてはならない。
皆さんが尊敬するプロの仕事は、その仕事をするための充分な時間(とお金)が与えられてできあがっている、と思ったら大間違いだということ。
「時間とお金があれば、もっといい仕事ができるんだけどな」というのは、だから“イノセント”だということです。そんな純粋な時間もお金も実務の現場には存在しません。時間もお金も実際は“泥だらけ”なのです。
めも